任期満了に伴う京都府綾部市長選挙(2022年1月16日告示、1月23日投開票)に新人の吉崎篤子氏が立候補する意向を表明されていますので吉崎氏に関する情報をまとめています。
吉崎篤子氏の
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・経歴
・学歴
・ご家族
・年収
・実績や評判
・公約
・その他
などについて記事をまとめていこうと思います。
吉崎篤子/綾部市長選挙の経歴や家族は?
名前 | 吉崎篤子(よしざきあつこ) |
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生年月日 | 72歳 |
出身地 | 山形県米沢市 |
最終学歴 | 農民教育協会・鯉渕学園卒業 |
職業(前職) | 女性団体「新日本婦人の会」綾部支部長、「あやべPCR検査を求める会」事務局長 |
趣味 | (不明) |
吉崎篤子氏は山形県米沢市の出身です。
茨城県の農民教育協会・鯉渕学園卒業を卒業後、結婚して1976年に綾部市に移住、同年の25歳頃、京都府福知山農業改良普及所に採用されました。
恐らく定年まで勤められたと思われ、2010年10月に京都府綾部農業改良普及センターを退職されています。
京都府職労女性部役員、福知山地労協女性部役員、自治労連全国改良普及員協議会会長、自主保育「中筋学童保育所」兼綾部市学童保育所連絡協議会役員などを歴任されました。
現在、「新日本婦人の会」綾部支部長、「あやべPCR検査を求める会」事務局長を務められています。
「新日本婦人の会」は、国連NGOであり、1962年に平塚らいてう、いわさきちひろらの呼びかけで創立された女性団体です。
また、「あやべPCR検査を求める会」は、京都新聞によると、日本共産党や労働組合、市民団体で構成される会の模様です。京都民報では、「新日本婦人の会」綾部支部や綾部健康友の会のメンバーら8人が中心となって、2019年8月に結成され、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、施設訪問や議会請願、行政への要望などに取り組まれていると、報じられています。
選挙は現職市長の山崎善也氏との2人の争いになりますが。
山崎氏は地元綾部市の出身で、大学進学時に綾部市を離れ、50歳で戻って来て市長に就任されました。
山崎氏が綾部市を離れられた、ちょうどその頃に吉崎氏が同市に移住して来て農業の仕事を始められていたことになります。
京都・綾部市長選 吉崎氏が立候補表明、2人の争いに (京都新聞 2021年12月30日)
京都民報 - 吉崎篤子氏、出馬表明(2021年12月28日)
吉崎篤子/綾部市長選挙の学歴は?
吉崎篤子氏の学歴は農民教育協会・鯉渕学園卒業となります。
卒業された高校の情報は見付かりませんでした。
恐らく高校卒業後に進学されて最終学歴となった鯉淵学園は、現在は「鯉淵学園農業栄養専門学校」と改称されています。
茨城県水戸市鯉淵町に本拠を置く、食と農業に関する専修学校であり、栄養士養成施設で、現在、アグリビジネス科(アグリビジネスコース、畜産コース、国際農業コース)、食品栄養科を擁しています。
1945年に全国農業会によって3年制各種学校の高等農事講習所として開設され、1948年設立の財団法人農民教育協会に経営が引き継がれました。
1951年に「鯉淵学園」と改称され、更に2008年に現在の学校名に改称されました。
設立当初から長らく3年制でしたが、1995年に4年制の専門学校に制度変更され、人事院規則の学歴区分が「大学4卒」に位置づけられました。その後、2008年に各学科の修業年限が2年に短縮されています。
吉崎篤子/綾部市長選挙の家族は?
吉崎篤子氏は、約50年前に結婚して綾部市に移住されました。
日本共産党綾部市議会議員の吉崎久氏とは同じ綾部市岡町にお住まいで、年齢もほぼ同じ、更に吉崎久氏のページに吉崎篤子氏が幾度もツイートされているところから、二人はご夫婦かと思われます。
歴任された役職の中に、自主保育「中筋学童保育所」兼綾部市学童保育所連絡協議会役員があることから、ご子息かご息女もおられるかと思われます。
吉崎篤子/綾部市長選挙の年収は?
吉崎篤子氏の肩書の内、「あやべPCR検査を求める会」は「新日本婦人の会」等からの有志の会の模様であり、収入は大本の「新日本婦人の会」のみと考えてみます。
「新日本婦人の会」はNGOとのことなので、NGO職員の平均年収は250万円以下との情報もあり、341万円との情報もあります。
吉崎氏は支部長なので、年収は350万円~400万円ぐらいと推測できるかも知れません。
吉崎篤子/綾部市長選挙の実績や評判は?
吉崎篤子氏にとって、国や地方公共団体の首長や議員への立候補は今回が初めてと思われます。
元々、京都府北部地域の農業部門の職員であり、労働組合や市民運動を通じて認められてきた模様です。
今回、吉崎氏を擁立した「みんなでつくる綾部民主市政の会」の山口昭雄代表は、吉崎氏について、府職員時代に住民の声を直接聞いて業務に生かしてきたことが擁立の理由の一つであると話されています。
吉崎篤子/綾部市長選挙の公約は?
吉崎篤子氏は、綾部市内で行われた記者会見で公約を述べられました。
内容は当記事冒頭にリンクのある京都民報の記事に記されていますが、纏めると下表のとおりになります。
福祉・子育てと平和主義を重視した政策です。
無所属で立候補されていますが、内容は、日本共産党や「新日本婦人の会」の政策・理念とほぼ重なると思われます。
▽軽症者の療養場所の確保
▽社会を支えるケア労働の分野での低賃金や長時間労働などの課題の実態把握・改善
▽コロナ禍で顕在化した「生理の貧困」の解消 … 小中高校と公共施設のトイレへの生理用品配置
▽暮らしと営業支援のため、持続化給付金の再支給を国に要求、介護利用料の見直し、無料定額診療の充実
▽若者、子育て応援で、子どもの医療費無料化を高校卒業まで拡充
▽ジェンダー平等
▽原発再稼働反対、再エネ推進
▽平和と憲法を守る
吉崎篤子/綾部市長選挙の立候補した理由は?
吉崎篤子氏は「みんなでつくる綾部民主市政の会」に擁立されて立候補しました。
同会代表の山口昭雄氏(吉崎篤子氏が事務局長を務める「あやべPCR検査を求める会」の代表でもあります)は、「(コロナ禍の)今、何より命を大切にする市政をつくっていく必要がある」と強調し、吉崎氏について、府職員時代に住民の声を直接聞いて業務に生かしてきたことを紹介し、「市民の声を聞いてしっかり施策に生かす市政が必要と決意していただいた」と述べられました。
今回の市長選挙には無所属で立候補されていますが、「あやべPCR検査を求める会」は共産党系の団体であり、吉崎氏の立候補には日本共産党の意向が働いていると考えられます。
京都府は日本共産党の勢力が強い土地柄なので、このこと自体は特に珍しいことではありません。
綾部市内には原子力発電所はありませんが、同市の大部分は大飯原発と高浜原発の30km圏内にあり、吉崎氏の主張のとおり、東日本大震災の時の福島原発の様なことが起れば南相馬市の悲劇が繰り返されることは明らかです。
その危機感が底流にあり、今回の新型コロナがきっかけで擁立を受けられたと考えると、吉崎氏が掲げる「なにより命」の符合も腑に落ちます。
日本共産党の側としても、日本の原発の再稼働を牽制し続けて、更に党の主張の下支えとする期待もあるのかも知れません。
吉崎篤子/綾部市長選挙の選挙結果は?
吉崎篤子氏の国・地方公共団体への立候補は今回が初めてと思われます。
吉崎篤子/綾部市長選挙の引退の可能性は?
吉崎篤子氏は72歳ですが、非常にエネルギッシュな印象を受けました。
今回の選挙に当選されなかった場合は、再度の立候補は無いかも知れませんが、現在の仕事は当分継続されると思われます。
まとめ
先日、綾部市長選挙の候補者(現職市長の山崎善也氏、吉崎篤子氏)の公開討論会が行われ、以下の動画が公開されています。
【2022/01/06】綾部市長選公開討論会①「子育て・教育」
【2022/01/06】綾部市長選公開討論会②「経済振興・コロナ対策」
【2022/01/06】綾部市長選公開討論会③「安心・安全なまちづくり」
【2022/01/06】綾部市長選公開討論会④「行財政改革と長期ビジョン」
また、これらの動画で言及のあった商店街創生センターのホームページは次のとおりです。
動画を視聴して、全体的に山崎氏に現職の強みがあり、全体への目配りも行き届いていると感じました。
吉崎氏の主張内容の多くも山崎市長が市の財政が許す範囲内で既に検討・実行されていた模様で、争点にはなりにくい印象でした。
吉崎氏の主張には理念が先行してしまい、一住民・市民団体の異議申し立てから市長候補としての主張への昇華がし切れていない部分もあったように思われます。
ただ、山崎氏が綾部市近郊に原発があることの財政的な恩恵を強調されているのに対し、吉崎氏は原発反対であることが決定的な違いと思われます。
【参考】綾部市ホームページ - 原子力発電施設等周辺地域企業立地支援事業(F補助金)の案内
綾部市内に原子力発電所があるわけではありませんが、幾ら綾部市の財税が脆弱であるといっても、原発への安易な姿勢は絶対に禁物であり、問題を提起し続けることには重要な意義があるといえます。
このことは、日本共産党や「新婦人の会」としての活動以前に、農業の仕事を続けて来られた立場から、吉崎氏には譲れないところでしょう。そういう実体験に加えて、自身が三陸出身ではないものの東北出身であることも、主張に力を与えることと思われます。
そのことが原発の30km圏内で暮らす綾部市民の方々の思いの受け皿になれば、今回の選挙での躍進に繋がると想像できます。
理念・主張の実現のために、財政問題解決・予算配分の優先順位をどのようにするか、脱原発の流れを財政面も含めてどの様に実現するか等、ある程度の具体性をもった案を示すことが重要とは考えます。
なお、京都府での商店街創生センターという取り組みや、他の草の根の具体的な活動においては、現在の「新日本婦人の会」綾部支部長の他に、長年地元で農業改良普及所職員を務めて来られた吉澤氏の識見や問題提起に深いものを感じました。