任期満了に伴う栃木県知事選挙は、10月29日告示、11月15日投開票の日程で行われます。
現在のところ、5選を目指す現職の福田富一さん(67)と新人で元NHK宇都宮放送局長の田野辺隆男さんの二人が立候補を表明しています。
今回は、新人の田野辺隆男さんの、
・経歴
・家族
・年収
・選挙結果
などについて記事をまとめてみたいと思います。
田野辺隆男/栃木県知事選挙の経歴や評判は?
栃木県知事選挙に立候補している田野辺隆男さんの経歴、政策、評判など次の通りです。
生年 月日:1960年
出 身 地:栃木県芳賀町
出 身 校:東京大学法学部
趣 味:読書、自然豊かな場所への旅、家庭園芸
信 条:一隅を照らす者、これ、国の宝なり
マハトマ・ガンジーが避けるべきと説いた「7つの社会的犯罪」を犯さぬ生き方
たのべ隆男@新風とちぎ代表の twitter account
たのべ隆男・新風とちぎさんの instagram account
@tanobeでLINEも開設しています。
たのべ隆男さんは、在学中にマスコミに興味を持ったということで、1983年の卒業後はNHKに入局しました。
以後、2015年に退局するまで、NHKでディレクター中心に組織マネジメントなども含め番組制作の「なんでも屋」として人生を歩みます。
初任地は香川県の高松局で、札幌、徳島、福島など地方6局をまわりながら、報道番組中心に制作を担当しました。
初任地の高松で制作したNHK スペシャル「巨大橋を列車が渡る」、盛岡放送局での知的障がい者の学校のラグビー部を取材して作った番組などを思い出深い作品としてあげています。
最後の赴任地が故郷の宇都宮放送局で、ここでNHKを辞めて参院選に出馬します。
NHKでの仕事を通してさまざまな問題があることを分かっていて、何もしなくて良いのだろうかと思い続けるなか、3.11の原発事故と、2015年の安保法(戦争法)強行採決がきっかけになったそうです。無所属で民進党(当時)の支援を受けの出馬でしたが、31万票を得たものの17万票差で次点に終わりました。
その後は、芳賀町にある家業の運送会社を引き継ぎ、経営を担うと共に父親を介護しながら暮らしています。
たのべ隆男さんは、今年2月、「新風とちぎ」を立ち上げ、知事選立候補を表明しました。
県政刷新を訴えて立ち上がった理由について、「今の政治、国政には、例えばアメリカ言いなり、福祉・教育予算の削減など問題が多い。コロナ対策でももっとお金を回せばもっと多くの人が幸せに暮らせる政治ができる。しかし、それを直言する知事がいない。
まっとうなことをいう知事が栃木県に必要だ。」と述べています。
「福田県政の良いところは継承し、栃木県がナンバーワンになるために、政策の選択肢を示したい」とし、具体的には「時代は変わった。
栃木を変えよう。誇れる県へ」をキャッチフレーズに、「3つを守る」が合い言葉の緊急コロナ対策と、「接続可能な人と地球に優しいとちぎ」「防災&健康づくり先進とちぎ」「新構想で新しい豊かさが続くとちぎ」「地域責任社会で実現とちぎ」からなる「ALL-INとちぎ4つのビジョン」を提示しています。
田野辺隆男/栃木県知事選挙の家族は?
たのべ隆男さんは、家族について、選挙に関わるホームページ等では紹介していないようです。
ネット上に残っている、2016年参院選栃木選挙区立候補時の「勝手に応援団」のホームページには、家族について妻と長女、次女、長男、孫(長女夫婦の子)とあります。
4年前ですから、お孫さんが増えているかも知れません。
ちなみに、たのべ隆男さんの父親は、元県議会議員、芳賀町長です。
田野辺隆男/栃木県知事選挙の年収は?
たのべ隆男さんは、NHK退職後は家業の運送業、有限会社田野辺運送店(今年、株式会社化か)の代表取締役を務めています。
同社ホームページによると、保有トラックは大型の箱形トラックを中心に合わせて23台、それに倉庫による商品の仕入れ、保管、出荷管理などロジスティックス事業も行っています。
中小の物流・運送会社の経営者の年収をネットに見ると、全国的な平均数値は探せないのですが、物流コンサル会社では約1,000万円前後とみているようです。
中小といっても大きな幅がありますが、株式会社にしてもたのべ隆男さんの会社規模では、だいたい妥当するのではないでしょうか。
もちろん景気動向等で、前後300万から500万円程度の幅はあると思われます。
田野辺隆男/栃木県知事選挙の選挙結果と得票率は?
たのべ隆男さんは、今回が知事選初出馬です。
詳細な情報が入り次第追記したいと思います。
田野辺隆男/栃木県知事選挙の引退の可能性は?
たのべ隆男さんは、今回が知事選初出馬です。
今のところ、引退するという情報は見当たらないですね。
まとめ
たのべ隆男さんは、小さい頃から特に勉強に励んだということはないそうです。しかし、成績は飛び抜けて優秀、「神童」といわれていたという話もどこかにありました。
宇都宮高校から東大法学部、オーソドックスには国家公務員の上級試験を受けて霞が関官僚へというところですが、マスコミに興味を持っていてNHKへ、しかし記者ではなくディレクターへの道を進んで、その世界で定年近くまで生きることになります。
報道番組の制作という仕事は、社会を外側から客観的に眺めるという立ち位置、第三者的立場をとることは記者と同じです。報道の世界に身を置きながら、社会の矛盾に気付き、いろいろ考え始め、なんとかしたいという思いが次第に募っていって、人生後半、定年が見え始めた故郷の放送局で、その矛盾が噴出するのを目の当たりにして居ても立ってもおられずに動き出した、それが参院選出馬だったとなるようです。
原発事故と安保法改正の強行採決をきっかけとしてあげています。参院選では民進党(当時)などの推薦を受け、現立憲民主党の枝野幸男代表なども応援に入っていますから、明示しなくても反自民という立場は明確です。
今回の知事選出馬も、思いは参院選と共通するようです。コロナ禍で生活に苦しむ人が増えるなか、政治はそんな人たちにきちんと向き合っていない、向き合えという知事もいない。
本当に困っている人に目を向ける国政を栃木から求めたいといいます。国政に先に目がいくのはマスコミ人だったからではないでしょうか。政治といえばまず、国政の問題を考えてきただろうからです。
今回の知事選では、しかし、国に対してきちんとものを言いたいからということでもないでしょうが、県政、「誇りの持てる県政」の実現を掲げています。
行政経験はありませんから、政策面では少し具体性に欠けますが、将来への接続可能性、国への防災省設置提言、循環器疾患の予防対策、ソフト新分野産業の育成など「内陸ニューフロンティア構想」、「ロイヤルカントリー構想」、「農・食・里山観光の一体的振興」など現状改革を踏まえたユニークな政策提言も見られます。
今栃木県知事選は、有権者の判断基準として多選現職か新人か、現状維持か改革・変化かが考えられます。
しかしある報道機関が行った栃木県内25市町村長アンケートでは、有事対応、市町村重視を理由に、24人の首長が4期16年の県政を評価する結果がでています。ほとんどの市町村長は多選をそれほど気にしていないのです。
政治的には両者の保革は明確ではありません。しかし自民党の現職支持は明確ですから、たのべ隆男さんは反自民の県民派ということになりましょうか。ただの県民の支援を示すように、県内に20を超える「勝手連」が活動しています。
現状維持か改革か、たのべ隆男さんの言う「誇れるとちぎ」は、「今は、誇れないとちぎ」を含意する言葉でもあります。時あたかも10月14日、「都道府県魅力度ランキング2020」で栃木県が最下位に転落したという発表がありました。
これでは「誇れない」のは確かなのかもしれません。現職が調査会社に「直談判」に及ぶとのニュースも流れています。他方で宇都宮市は「住み良さ」などのランキングでは全国4位です。
ともあれ、現状維持か改革か。栃木県の有権者はどのような判断を下すのでしょうか。