任期満了に伴う神奈川県知事選挙(2023年3月23日告示、4月9日投開票)に現職の黒岩祐治氏が4選を目指して立候補する意向を表明されていますので黒岩氏に関する情報をまとめています。
黒岩祐治氏の
-
・経歴
・学歴
・ご家族
・年収
・実績や評判
・公約
・その他
などについて記事をまとめていこうと思います。
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の経歴や家族は?
名前 | 黒岩祐治(くろいわゆうじ) |
---|---|
生年月日 | 1954年9月26日 |
出身地 | 兵庫県神戸市 |
最終学歴 | 早稲田大学政治経済学部卒業 |
職業(前職) | 神奈川県知事 |
趣味 | 歌、ミュージカル、ダイビング。ランニング?(2017年の三浦国際市民マラソンにご子息と参加。2022年に横浜マラソンを完走。) |
黒岩祐治氏は神戸市に生まれ、日本一の進学校とも言われることのある灘中学校・高等学校から早稲田大学政経学部に進学。大学卒業後、1980年にフジテレビに入社後、営業部勤務を経て報道記者となり、政治部、社会部、さらに番組ディレクターを経て1989年に「FNNスーパータイム」キャスターに就任されています。
自ら企画・取材・編集まで手がけた救急医療キャンペーン(1989~1991年)が救急救命士誕生に結びつき、1990年に第16回放送文化基金賞と民間放送連盟賞を受賞された他、2年間のワシントン駐在を経て様々な番組のキャスターを務められてきました。
2009年に国際医療福祉大学大学院教授に着任。「医療・福祉に関する実践的メディア論」「医療・福祉に関する報道の検証」「メッセージ力の高め方」などを研究テーマとされていました。
東日本大震災発生の年である2011年に神奈川県知事に就任し、今回の選挙で4選を目指されています。今回は自由民主党県連、公明党県本部、連合神奈川の推薦を受けての立候補です。
趣味は歌、ミュージカル、ダイビングとのことですが、早朝ランニングもされていて、2017年の三浦国際市民マラソンにご子息と参加され、2022年に横浜マラソンを完走されるなどの横顔もおありです。
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の学歴は?
黒岩祐治氏の学歴は、灘高等学校卒業、早稲田大学政治経済学部卒業です。
出身高校は?
灘中学校・高等学校は兵庫県神戸市東灘区に所在し、中高完全一貫教育を提供する併設型の私立男子中学校・高等学校です。
中学校は1学年が約180人で、高校に上がる段階で約40人が新たに入学します。
灘五郷の酒造家両嘉納家及び山邑家の篤志を受けて1928年に開校しました。
創立に当たっては、嘉納家の親戚で、当時東京高等師範学校(現筑波大学)校長兼講道館館長であった嘉納治五郎氏を顧問に迎え、校是には柔道の精神「精力善用」「自他共栄」を採用しています。
同校の特色の一つが、「担任持ち上がり制」であり、中学校入学時に原則8人の教員が担任団を編成し、一つのチームとして6年間その学年を受け持ちます。チームには国語、数学、英語の教員が必ず含まれます。
この仕組みにより、学習指導の計画性、効率性、一貫性が保たれ、生活指導も複数の教員の視点できめ細かく行うことができるものとのことです。
偏差値ランキングでは中学・高等学校共に実に全国1位の超難関校です。
卒業生の約半数は東京大学に合格・進学していて、東大進学率では首位になる年もあり、また、難関大学の医学部医学科にも多数の合格・進学者がいます。
ノーベル化学賞を受賞された野依良治名古屋大学教授も同校の卒業生です。
出身大学は?
早稲田大学は、東京都新宿区に本部を置く私立大学です。
1882年に大隈重信が創立した東京専門学校が前身で、1902年に早稲田大学に改称されました。
慶應義塾大学と共に「私学の雄」と称され、日本の私立大学の最高峰とされることが多い大学です。
現在、以下の13学部と大学院、専門職大学院、学術院、附属校、系属校(例:早稲田実業高等学校等)を擁しています。
・文学部 ・教育学部 ・商学部
・基幹理工学部 ・創造理工学部
・先進理工学部 ・社会科学部
・人間科学部 ・スポーツ科学部
・国際教養学部
野田佳彦元首相(現・立憲民主党)も同学の卒業生です。
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の家族は?
黒岩祐治氏のご家族は奥様と2人のご子息です。ご子息は二人とも独立されているそうです。
お父様は天寿を全うされ、お母さまは2020年8月時点で神戸で元気に暮らされているとのことでした。
黒岩祐治の『家族』~最愛の妻と2人の息子…がんを克服した父との闘病記
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の年収は?
神奈川県庁のホームページ上に「神奈川県の給与・定員管理・人事評価等について」が公開されています。
最新データは2021年度分であり、13ページ目を見ると、下表の計算により、黒岩祐治氏の市長としての年収は基本的には20,031,750円と推定できます。(通勤手当等を除く)
期末手当:1,305,000円/月 × 3.35か月 = 4,371,750円
ただ、今回は任期満了で更に退職金円が支給されます。計算式は次のとおりです。
合計すると直近の神奈川県知事としての年収は57,615,570円と推定できます。
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の実績や評判は?
黒岩祐治氏がSDG’S、犬猫の殺処分ゼロ、医療問題等、多岐に亘って積極的に取り組まれ、自治体としての先進的な実績を積み重ねて来られたことは、オフィシャルサイトや神奈川県庁のホームページの知事の部屋のコーナーで確認できます。
前回の選挙では、企業誘致や健康増進策などの実績を訴えて圧勝されています。当時の記事をご参考に添付いたします。
【参考】神奈川知事選、黒岩氏が3選 実績訴え圧勝<日本経済新聞 2019年4月7日>
また、黒岩氏の3期12年に亘る県政を検証した記事も見付かっています。
政治家の仕事として避けえないこととして、賛否両論の面はあるでしょうが、検証対象と成り得る一時代を築いた印象が、筆者としてはございます。
【カナロコ】連載「県政検証 黒岩流3期12年」まとめ 黒岩知事3期目を検証 コロナ、福祉…課題にどう臨んだか
今回の選挙への立候補も、後援会や経済界、そして自由民主党県連本部からの要請を受けてのもので、高い評価が窺われます。
なお、神奈川県としての犬猫の殺処分ゼロについては、2021年度終了時点で、犬は2013年度から9年間、猫は2014年度から8年間殺処分ゼロを継続しています。
しかし、県が宣言する殺処分ゼロは、独自の動物保護施設がある横浜、川崎、横須賀の3市と、相模原市、藤沢市、茅ケ崎市と寒川町を管轄区域外として除いた数値になっていて、この7市町を含めた実態は必ずしも「殺処分ゼロ」にはなっていなかったことは留意しておくべきでしょう。
それでも、関係者の大変な努力によって不十分ながらも改善が為されていることは尊いことであり、ミスリードのリスクはあっても、それを宣言していくことは無意味とは思われません。
動物の安易で無責任な売買はあってはならないことであり、今後はその面での規制強化や県や市町村からの呼び掛けも有効かと思われます。
【産経新聞】犬猫収容数・殺処分実態反映しない神奈川県発表 ほど遠い「ゼロ」、誤解の恐れ
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の公約は?
黒岩祐治氏についての今回の選挙での公約を明示されたものは見付かりませんでした。
過去の自らの県政の総仕上げとの位置付けと思われます。
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の立候補した理由は?
黒岩祐治氏は、「3期12年で区切りをつけようと思ってきたが、後援会や経済界、そして自由民主党県連本部の皆様からもう一期やってくれという熱いメッセージを受けて、自分の中のギアが入った。今までやってきたことをしっかり前進させるのは当然だが、さらに新しい時代に合わせた形の行政のあり方をしっかりつくり上げていきたい。」と述べられています。
神奈川県には、知事の任期を連続3期までとする多選禁止条例があるものの、形骸化・無意味化しているとの認識であり、その点も含めて選挙で有権者の審判を仰ぐとのことでした。
なお、自身が当選しても、同条例を改正すること自体は考えていないとのことです。
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の選挙結果は?
黒岩祐治氏は過去3回、神奈川県知事選挙に立候補して何れも当選されています。
詳しくは以下のとおりです。
【神奈川県知事選挙】
投票日2011年4月10日 | 黒岩 祐治(無所属) 1,728,860票 露木 順一(無所属) 821,981票 鴨居 洋子(無所属) 466,223票 照屋 修(無所属) 99,751票 |
投票率 45.24% |
---|---|---|
投票日2015年4月12日 | 黒岩 祐治(無所属)(現職) 2,195,760票 自由民主党、民主党、公明党推薦 岡本 一(無所属) 665,751票 共産党推薦 |
投票率 40.71% |
投票日2019年4月 7日 | 黒岩 祐治(無所属)(現職) 2,251,289票 自由民主党、公明党、国民民主党推薦 岸 牧子(無所属) 700,091票 共産党推薦 |
投票率 40.28% |
黒岩祐治/神奈川県知事選挙の引退の可能性は?
黒岩祐治氏の過去の実績と現職の強み、加えて与野党双方の支持を得ている状況に鑑みて、今回の選挙においては当選される可能性が高いと思われます。
その場合、次回の任期満了では72歳で勇退が考えられます。
知事職を離れられたら、前職の大学教授に復帰されるかも知れません。
まとめ
黒岩祐治氏は日本一の進学校とも言われる灘中学・高等学校の出身で、高校時代は生徒会長をされていました。
また、大学在学中は、早稲田大学雄弁会とミュージカル研究会に所属されていて、ミュージカルではラサール石井さんと同じ舞台に立たれていたとのことです。
その先にキャスター、大学教授、知事としてのご活躍職が自然に繋がっているように思われます。
マラソンには頻繁に出場し、SMSで情報発信に努めるなど、神奈川県民一人ひとりと体当たりで目線を合わせている姿が印象的ですが、問題点の明確化と、達成した実績のアピールに長けているように筆者には感じられました。
この辺りは、元々受賞歴のある優秀なジャーナリストであったのことの面目躍如といったところでしょうか。
ジャーナリストは政治家の出身母体としては主流ではないようですが、黒岩氏の場合は、優れた政治家となった例を示されているようにも思われました。
今回の選挙では、3月8日時点で他に市民団体代表の岸牧子氏(66歳)(共産党推)、千葉修平氏(50歳)(日本維新の会の県組織「神奈川維新の会」推薦)、NPO代表の寺田浩彦氏(61歳)が立候補されています。
4候補者中、黒岩氏は最年長ですが、思想的に候補者中最も中道で、現職の強み・実績は他の候補を圧倒していて、4戦目も好感触と思われます。